経理事務の業務効率化、最初にやるべきことはAIではなくExcelだった【一人経理でも再現できる】

業務効率化

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📋 この記事でわかること

  • 経理事務の業務効率化、最初に取り組むべきことは何か
  • ショートカット・関数・VBA、どの順番で覚えるのが正解か
  • Excelスキルがなぜ今も転職市場で求められているか
  • AIとExcel、どちらを先に学ぶべきか

業務効率化でまず取り組むべきこと――それは「自分の業務効率化」だ

業務改善というのは、正直かなり大変だ。

今までの仕組みを変えたくない反対勢力への説得、場合によってはコストのかかる機器の導入とその準備、導入後のアフターフォロー。予算がないからと、社内で使うものを自分で作ってしまうこともある。常に学び続けなければならないし、私のように小さな子どもがいると、ママをやりながら勉強するのも至難の業だ。

そういった状況で大切なのが、①モチベーション②自分の時間を確保することの2つだと思っている。

まず自分の業務を効率化することで、「一度頑張るだけで、毎月のルーチン業務がこんなに速くなるんだ!」という効果を肌で感じることができる。自分で作った仕組み(Excelなど)でそれができたときは、感動もひとしお。自分に自信もつく。

そして「こんな良いものがあるなら人に勧めたい!」となる。それこそが、業務効率化を進める壁にぶち当たったときのモチベーションになると思う。

また、私のようにIT専任ではない場合、自分のルーチン業務が片付いていない状態では、会社全体の業務効率化を考える時間を作ることはなかなか難しい。あくまでメインは経理だから。

💡 まず自分の業務を効率化して、自分の時間と手間を空けること

ボロボロだったあの頃の話

育休から復帰して1年半。フルタイムワーママとして働いてきた私は、その頃ほんとうにボロボロだった。

いやいや期まっただ中の2歳半の息子。保育園の送迎は夫がやってくれていたので遅刻の心配はなかったけど、そのぶん夫も疲弊していた。息子はしょっちゅう風邪をひいてくるし、19時帰宅ではまともなごはんも作れない日々。フルタイムに限界を感じていた。

そんなとき、後輩が育休から復帰することになった。事務の人数はすでに足りていたので、上司から「2人とも週3勤務はどうかな」と提案が。疲れていたこともあり、即快諾した。

しかし喜んだのもつかの間。週3になっても、仕事のボリュームはほぼ変わらなかった。

非常に、ヤバイ。

持ち帰り残業はしたくないので処理能力を上げるしかない!

そんなわけで、残りの週2日でスキルアップに励むことにしたのだった。


経理の80%はExcel。だからExcelから始めた

私の仕事は経理事務で、日中業務の約80%がExcel、残り20%が会計ソフトだ。

「一番時間を使っている場所を速くしよう」という発想で、まずExcelに集中することにした。

① ショートカットキーを覚えた

日ごろからExcelで何かをする際、マウスでポチポチするのが面倒だと思っていた。特に経理では、書類を見ながら入力・編集することも多く、書類をめくり、キーボードで入力、マウスで表を編集と、手が忙しい。何とか早くできないかとずっと思っていた。

UdemyでExcelの基礎講座を見ながら実践して覚えたのだが、速さはもちろんのこと、Excel作業そのものが快適になった。表の罫線を引くのもショートカットで一発、色を塗るのにもマウスを使わなくていい。出先でノートパソコンで編集する場面では特に便利で、タッチパッドを使う手間がなくなるだけでかなりストレスが減った。

関数やVBAほどの劇的な変化ではないけれど、「なんだか自分がExcel得意な人になれた」という感覚があった。簡単なわりに、効果の実感が高い。まず最初に取り組むならショートカットキーがおすすめだ。

② 関数を覚えた

それまでSUMと掛け算ができれば困らないと思っていた。でも勉強し始めると、使える場面がたくさんあることに気づいた。

たとえば半角を全角に直す作業、「兵庫県神戸市」から「神戸市」だけ取り出す作業。上司からスポットで頼まれることが多かったこういった仕事が、関数を使えば数秒で終わる。

スポットで頼まれる仕事のスピードが、別次元になった。

📚 私が実際に使ったKindle本:関数ちゃんと学ぶエクセル仕事術 実務で役立つExcel関数を擬人化したら?
使用頻度の高い関数が厳選されており、ストーリー形式で読み進めやすい。カラーで図解も豊富なので、通勤中に読んで仕事で実践、を繰り返すうちに自然と身につく。

③ マクロ(VBA)を覚えた

関数でスポット業務を速くできたなら、次はルーチン業務だ。

毎月決まった時期に、あるExcelを別のフォームに整えなおす作業があった。コピペを駆使しても1時間はかかっていた作業。マクロを組んでボタン1つで完了するようにしたら、作業時間が3分になった。

貼り付け用シートに張り付けて、ボタン1つで完成。最初はすこし大変だけど、自分の経験にもなるし、毎月の1時間が3分になったことを思うと損はないと思う。

📚 私が実際に使ったKindle本:2時間でExcelマクロの基本がわかるVBA超入門(エクセル兄さん出版)
いろんな解説本を試したが、スマホでの読みやすさ・初心者へのわかりやすさでこの本がベスト。本来はこの著者のUdemy講座と組み合わせるのが理想だが、時間がとれない人はこの本を何度も読み、覚えたところから仕事の休み時間にチャレンジしてみるといい。

Excelスキルアップの結果

  • 週5日分の業務が週3日で終わるようになった
  • スポット仕事のスピードが速いと評判になり上司からの評価が上がった
  • 「Excelできる人」として社内で信頼を得た

「チャッピー(AI)があればできるんじゃないの?」という話

ここで一つ、よく聞かれることを正直に書いておきたい。

定型業務の中には、AIに指示すればできるものもある。でもスポット業務に関して言うと、指示を考えてAIに投げて、できたものを確認・修正して…という手間を考えると、正直Excelでやるほうが早いことが多い。

また中小企業の経理業務では、代表者にとってわかりやすい独自フォームが使われていることが多く、セルの結合なども多い。AIでそういった細かい書式に対応してもらうのは、まだなかなか難しい。

ただ、AIは便利だしどんどん活用すべきだと思っている。でもそれはExcelの知識があってこその話だ。

たとえば、スポーツで考えてみてほしい。

基礎体力のないアスリートに最新のシューズを履かせても、タイムはそこまで変わらない。でも基礎体力がある選手が同じシューズを履いたら、そのスペックをフルに活かせる。

ExcelとAIの関係も、これとまったく同じだ。AIはあくまで「道具」。使う側の基礎力で、出せる結果がまるで変わる。

Excelで「この列の値をこの条件で抽出したい」と的確に指示できる人と、「なんかうまくやって」としか言えない人では、AIから引き出せる答えの質がまったく違う。

Excelを知っているということは、データの扱い方・加工の仕方・欲しい結果の言語化ができるということ。それがそのままAIへの指示力につながる。

Excelの知識は無駄になるものではなく、AIを使うようになった今こそ役に立つ。みんながAIを当たり前に使うようになったからこそ、個人の基礎知識で差がつく時代だと思う。


転職市場でも、まだExcelが求められている

これは現在転職活動中の私が実感していることなのだが、経理・事務職の求人票を見ると、Excelスキルへの言及が細かい。

「SUMが使える方」「ピボットテーブルが使える方」「VLOOKUPが使える方」と、具体的な関数名まで書いてある求人が普通にある。それだけ現場で必要とされているということだ。

一方でAIについては、「パソコンに強い方歓迎」という書き方はあっても、「ChatGPTやClaudeに詳しい方」という求人にはほとんど出会わない。AIの知識はまだ経理・事務の転職市場では評価されにくいのが現状だと思う。

どうせ勉強するなら、仕事でも転職でも評価される知識を身につけたほうがいい。だから私がおすすめする順番はこうだ。

📚 勉強するおすすめの順番

まずExcel → 次にChatGPT・ClaudeなどのAIツール

Excelで土台を作ってからAIを使いこなすと、できることの幅が一気に広がる。仕事が速くなるだけでなく、転職のときにも強みとして説明しやすい。


効率化で生まれた「余白」が、次につながった

こうしてExcel中心にスキルアップをはかったところ、週5でこなしていた業務が週3で終わるようになった。

さらに、スポット仕事のスピードが速いと評判になり、上司からの評価も上がった。ほかの社員からも「Excelできる人」として一目置かれるようになった。

信頼、というほど大げさではないけれど、少しずつ頼ってもらえる場面が増えていった。それが後々、業務改善の提案をするときに少し動きやすくなった理由だと思っている。

効率化で生まれた時間と信頼。その両方を使って、今度は会社全体の業務改善に動き出すことになる。


このブログで書いていること

私がやってきた業務改善は、大きく4つに分かれる。

  • [業務効率化の事例] 年賀状廃止・Gmail共有・Googleカレンダー活用など、実際にやってよかった改善の記録
  • [社内対応のコツ] ITに疎い上司や現場の説得方法、ヘルプデスクで信頼を積む方法
  • [小さな会社のアナログ事情] FAX・紙・電話が主役の会社特有の前提と現実
  • [事務員でもわかったITの話] 参考にしてきた本・講座・ツールの話

📌 この記事のまとめ

  • 業務効率化の第一歩はまず自分の業務を効率化すること
  • 最初はショートカットキーから。簡単なわりに効果実感が高く、続けやすい
  • 経理事務の80%はExcel。関数とマクロを覚えるだけで作業時間が激変する
  • AIより先にExcelを学ぶべき理由は転職市場でも現場でも求められているから
  • 自分の効率化で生まれた時間と信頼が、会社全体の改善につながる

予算もなく、長年同じやり方でやってきた中小企業の業務効率化は、正直なところ簡単ではなかった。うまくいかないことも、空回りしたこともたくさんある。

でも、試行錯誤しながら少しずつ積み上げてきたことが、今こうして言葉にできるくらいには形になった。

もし同じような環境で困っている人の、ほんの少しのヒントになれば——そういう気持ちでこのブログを書いている。

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